虚無

記録用です。需要はありません。

春の雨

 

一日、どっと疲れた。

特に疲れた日は、仕事帰り、近所のラーメン屋で、明太子トッピングを頼む。明太子には疲れを麻痺させるパワーがある。

アパートの階段を登ろうとしたら、いい感じの水たまりができていて、「ぱちゃ」と音が鳴った。私のパンプスが、夜のありとあらゆる光に照らされて、黒く浮かび上がった。「愛してる」と思った。

この、どうにもできない現実を、愛してる。

最近うちの部署は業績が悪くて、存在価値すら問われるような部署で、上司は部下の私の前で平気で転職しようかな、とか言う。優秀な人はみんな外に出ていく。私の尊敬していた、かつての支社長も辞めたらしい。今日の商談も失敗した。

でも、水たまりが綺麗だった。
それは、かつて好きだった人の瞳に似ていた

私は、明日も会社へ行く。
頼れるものなんて、もう何もなかった。